下丸子土曜集談会・大田集談会の皆さま・初回参加される皆さま

朝夕には、ほんのりと秋風を感じられる季節となってまいりました。

日中は残暑の厳しい日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

今月の下丸子土曜集談会のご案内です。

日時:8月23日(第4土曜日)午後1時~

会場:大田区民プラザ(東急多摩川線下丸子駅下車・徒歩1分)3階第4会議室

午後1時から2時まで 「女性のための・女性中心の懇談会」

仕事や家庭、人生の節目でふと立ち止まってしまうことがある…。

そんな時に心のうちを言葉にし、思いを分かち合える場として、女性の皆さまのための懇談会を開催いたします。

参加費は無料、懇談会後の定例会にも引き続きご参加いただけます(定例会参加費:700円)。

この時間帯の男性の受付も行っています。

午後2時10分〜 「第141回 下丸子土曜集談会」

今月は派遣講師による特別講話を予定しております。

講師:F支部委員(東関東支部長・水戸集談会・水戸ホーリーホック応援団

テーマ:「症状森田を卒業したら、私たちはどうすれば豊かに生きていけるでしょうか?」

講師から、皆さまへのメッセージです。

症状森田からは卒業したけれど、これから先、私たちはどうすれば豊かに生きていけるでしょうか?
みんなで一緒に考えてみませんか?

・森田理論は学習できたので、もう大丈夫!?(YES、NO)
・生活に不自由はなく、集談会や発見誌にも触れているから、もう大丈夫!?(YES、NO)

やはり大切なのは、本来の「生の欲望」を見つめ直し、自分が本当にやりたいことをはっきりさせること。
みなさんの本来の生の欲望を聞かせてください。 例)趣味を楽しみたい、生涯でやっておきたいことなど、講話の後半は参加者の皆さまと活発な体験交流を望まれています。

終了後は、居酒屋一休にてささやかな懇親のひとときもご用意しております。

どうぞお気軽にご参加ください。

残暑の折、くれぐれもご自愛のうえ、お越しをお待ちしております。

代表幹事の事前ミニスピーチ

森田理論を学習する意味と意義についてまとめてみました。

神経質性格とは何か

まず最初に、森田理論の大きなテーマである「神経質性格」について触れます。
神経質性格とは、心配性で、先のことを考えすぎる、いわば予期不安が強い性格を指します。人によっては過度に内省的で、自分の気持ちや体調ばかりに注意が向いてしまう。そのために苦しみ、生活の不自由を抱えることになります。

しかし、私はこの性格を「一方的に否定すべきものではない」と考えるようになりました。
実際に長い間、この性格に悩み、苦しんできたからこそ言えるのですが、この神経質性格は同時に、責任感や他者への配慮、細かい点に気づく力などの長所を含んでいるのです。今だからこそ、その評価を新たに出したいと思っています。

自分を分析することの意味

森田の学びの中で、私は「自分を分析する」ことを続けてきました。
自分の性格とどう向き合うか。どう対処していくか。

私は、行動理念として「自分よりも他者を大事にする」ことを意識しています。その背景には、やはり「迷惑をかけたくない」「恥をかきたくない」という不安があるのです。しかし、考えようによっては、これは「リスクマネジメント」の視点でもあります。予期不安があるからこそ、失敗を防ぐ工夫ができる。つまり、神経質性格は弱点であると同時に、強みとして生かせる可能性もあるのです。

学習・実践・振り返りのサイクル

森田理論の学習は、知識で終わりません。学んだことを生活の中で実践し、その後に振り返りをする。森田でいう「総括」です。このサイクルこそが成長につながります。

神経質性格の持ち主は、自己観察の鋭さを持っています。これを活かすと、かなり精密な自己分析ができ、それを具体的な行動の改善へと結びつけられるのです。森田の学びは、この「実践と振り返りの繰り返し」によって、確かな力を培ってくれるものだと実感しています。

症状森田から先の生き方

では、症状から自由になった後、私たちはどう生きていけばよいのでしょうか。

ここで大事になるのが、学習を通して身につけた「態度」です。
・あるがままの態度
・事実唯真のこころ
・目的本位の姿勢

これらは一時的な技法ではなく、生涯を支える価値ある態度(態度価値)です。そして、「答えの出ない不確かさに耐える力」、つまりネガティブ・ケイパビリティにもつながります。症状を超えてもなお、森田理論は生きる哲学として私たちを導いてくれるのです。

「もう大丈夫?」という問いにどう答えるか

よく聞かれるのが、「森田を学んだから、もう大丈夫ですね?」という問いです。
これはYESともNOとも言えません。森田は一度学んで終わりではなく、生活の態度として生かし続けるものです。だから「もう大丈夫」というより、「これからも森田と共に生きていく」という表現のほうが正しいのだと思います。

生の欲望を見つめる

最後に強調したいのは、「生の欲望」です。森田は、人間の根源にある「生きたい」「成し遂げたい」という欲望を見つめることを大切にしています。

私たちは、症状に縛られがちですが、その奥には「自分は何をしたいのか」という問いがあります。
それを明確にし、人生の土台に据え、そこに向かって努力を続けること。これこそが豊かな生き方につながるのではないでしょうか。

最後に

森田理論を学ぶ意義は、症状の克服だけにとどまりません。神経質性格を再評価し、生き方を深める哲学として活かすことにあります。学習と実践と振り返りの積み重ねを通じて、「あるがまま」を態度として生涯持ち続け、そして「生の欲望」に根ざした人生を歩んでいく。そこに森田理論の真価があると、私は思っています。具体的な生の欲望の目標は、当日発表いたします。

ご参加いただいた皆様と楽しく、真摯に、また生きるヒントとなる体験交流の場を持てますことを楽しみにしております。 (下丸子土曜集談会代表幹事)