84歳でフルマラソンを完走!彼女が語る、健康を守る最強の「食べ合わせ」とは?
竹内智子 によるストーリー【instagram@mjbpalme】
84歳。多くの人が病院での定期検診や血圧の薬、関節の痛みに悩まされていても不思議ではない年齢だ。しかし、メリー・パルマーはその常識を覆した。今年3月に開催された2025年バルセロナマラソンで、彼女は42.195kmを見事に走り切ったのである。「完走したこと自体が奇跡」と称賛され、世界中のランナーたちに驚きとインスピレーションを与えた。記録もさることながら、メリー・パルマーが注目を集めた本当の理由は別にある。「この年齢で、どうやってマラソンを走り切れたのか?」という問いに、彼女はランニングの習慣やサプリメントについて話す前に、こう答えた。「毎日の食事がすべてよ」。その答えに込められていたのは、徹底的にシンプルで、何より継続可能な食習慣だった。
84歳でフルマラソンを完走!彼女が語る、健康を守る最強の「食べ合わせ」とは?
パルマーの朝は、いつも決まっている。ゴマとオリーブオイルを添えたスペルト小麦のパンに、ゆで卵を1個。そこに、生姜とウコンを加えたカモミールティーが欠かせない。そして、そのお茶にはいつもレモン果汁とスプーン一杯のハチミツが加わる。香りや味わいのためだけではない。免疫力を整え、体内の炎症を和らげる成分を、日常的に自然なかたちで取り入れる。そんな意識的な選択が、彼女の毎日を支えている。スペルト小麦は古代小麦の一種で、グルテン含有量が少なく、食物繊維とタンパク質が豊富。消化に優れ、腹持ちも良い。そこに加わるゴマとオリーブオイルがもたらすのは、不飽和脂肪酸や抗酸化成分だ。これらは、心臓の健康に良い。茹で卵は筋肉の維持や回復に必要なタンパク源として理想的だ。また、パルマーの定番であるカモミールティーは、元々リラックス効果や睡眠を促す働きで知られている。そこに加えられる生姜とウコンは強力な抗炎症作用を持ち、ビタミンCが豊富なレモン、抗菌力のあるハチミツが合わされば、一杯で「飲む自然療法」とも言える健康ドリンクとなる。
84歳でフルマラソンを完走!彼女が語る、健康を守る最強の「食べ合わせ」とは?
もちろん、こうした食事だけでマラソンが走れるわけではない。彼女は日々ランニングとウォーキング、ストレッチを欠かさず行っていた。そして何より、「自分に合った生活リズムを築き、それを守り続けること」が何より大切だと語る。だが、そのリズムの中心にあったのは、いつも変わらない一皿の朝食だった。医療関係者の間でも、パルマーの食事法に注目が集まっている。彼女の食事には血糖値の急上昇を抑える複合炭水化物、高品質なタンパク質、抗酸化食品、そして抗炎症作用を持つ植物性成分が含まれている。これらは、高齢者の体力や免疫力の維持において、確かな効果が期待できる要素である。特に年齢を重ねるにつれ、消化機能の低下や炎症性疾患のリスクが高まるため、刺激が少なく体にやさしい機能性食事は、健康維持の要とされている。
彼女は「私は特別な人間じゃないの。ただ、自分の体が喜ぶことを、毎日やってきただけ」。多くのサプリメントやスーパーフード、短期間での成果を謳うダイエット法が溢れる現代において、最もシンプルな方法で健康を保ち続ける84歳の生き方。その「平凡な」メッセージに、私たちは今こそ耳を傾けるべきなのかもしれない。
ー高齢ランナーの再挑戦にむけた決意表明ー
年を取ったから、走れなくなったんじゃない。
ただ、少しだけ、立ち止まっていただけと思いたい。
あの日、幸運にも
心の奥に、ぽつりと火が灯った。
スピードはないけど、若いころは時間にこだわった。
フルマラソン完走が15回の年もあった。
けれど今、私が走る理由はちがう。
私は、森田の”生の欲望”にあやかって走りたいと思う。
痛む膝も、鈍くなった身体も、一緒に連れて。
誰に見せるでもない。
何かを証明するためでもない。
ただ、私自身のために。
もう一度、自分を信じるために。
走れなかった日々も、今の一歩の、土台になっている。
転んでも、笑えばいい。
足を引きずっても、また、歩き出せばいい。
何も語らずとも、伝わるものがある。
だから今日も、私は、私のペースで走り出す。
年齢に逆らうんじゃない。
年齢と、ともに生きていく。
走ることで、私はまた、私に戻っていく。