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外国人観光客が感動する「日本人にとってはフツーのこと」…意外なところで「付加価値」が生まれる

柿内 尚文氏(株式会社アスコム常務取締役) の意見

外国人観光客が感動する「日本人にとってはフツーのこと」…意外なところで「付加価値」が生まれる

「商品の魅力が伝わらない」「自分の強みが見つからない」……。そんなときに重要なのが、「付加価値をつけること」だ。数々のヒット作を手がけた編集者で、新刊『このオムライスに、付加価値をつけてください』を上梓した柿内尚文氏によれば、自分にとって当たり前のことが付加価値になることもあるという。実は身近なところにあるかもしれない「すごい付加価値」を発見するヒントを、柿内氏が伝授する。

「付加価値」は身近なところにある

付加価値が必要といっても、いやいや自分がやっている仕事には特に付加価値はないし、特に必要もない、という人もいるかもしれません。

でも実際には、付加価値は意外なところにもあるのです。

海外からの観光客に、日本のすごいところは何かを聞いたアンケートがあります。

出てきた回答はこんな感じです。

「電車が時間通りに来る」

「自動販売機が多い」

「公衆トイレが清潔でキレイ」

「治安がよい」

「どこのレストランもおいしい」……。

日本人からすると「フツー」でも……

これ全部、日本人からすると「フツー」のものばかり。

でも外国の人から見たら珍しい光景なのです。

そして、それが日本のすごいところだと言っているのです。

私たちが当たり前だと思っている「電車が時間通りに来る」ということだって付加価値になります。

こうやって見ていくと、付加価値はあちこちに発見できるのです。

外国人から見た日本のすごいところのひとつに挙がるのが「おもてなし」です。

「おもてなし」は平安時代にすでにあった考え方で、「表なし」が語源だそうです。表がないということは、裏もない。つまり、まごころをもって、誠心誠意尽くすことを言います。

「視点を変える」だけで価値が変わる

似た言葉に、「ホスピタリティ」という語もありますが、おもてなしとは少し意味が異なります。

ホスピタリティは、お客さんに対する心遣いを指します。おもてなしのほうがより広い概念です。

このおもてなしに外国人観光客の多くが感激するそうです。

おもてなしという考えがあるので、飲食店でおしぼりや水やお茶が出てきます。人をもてなすイメージです。

日本人からしたら、おしぼりが出てくることなんて珍しくもありません。そこに感激することもないと思いますが、外国人観光客の目にはまさに日本的な付加価値にうつるのです。

当たり前のもの、フツーのものも、他の視点から見たら付加価値になる。

視点を変えるだけで、同じものの価値がまったく変わるのです。

理学における「付加価値」という概念は何でしょう。

一般的に物理的な商品やサービスにおける経済的な付加価値とは異なり、主に人々の認知、感情、行動に関する心理的な意味で使用されます。

「付加価値」を捉える場合、以下のような視点があげられます。

  1. 自己実現や心理的満足感

人が自分の価値を感じる瞬間や、自己実現を達成することで得られる心理的な充実感が、付加価値と捉えられることがあります。例えば、ある人が社会的貢献や自己成長を通じて「付加価値」を感じる場合、物理的な報酬とは異なる内面的な満足感を指します。

  1. 社会的交換理論

人間関係における付加価値は、相互作用や社会的交換の中での「利益」の増加として捉えられます。例えば、友人関係や職場での協力関係が強化されることで、感情的な支援や心理的な安心感を得ることが「付加価値」とみなされることがあります。

  1. 認知的負荷の軽減

心理学では、人々が困難な状況やストレスの多い環境で「付加価値」を感じる場合、それは認知的負荷が軽減されたり、解決策を見出したりすることで生まれることもあります。ストレスの管理や問題解決能力が向上すると、人々は心理的な満足感を得るため、それも付加価値といえるでしょう。

(注)認知的負荷(Cognitive Load)とは、情報処理における脳の負担のことを指します。具体的には、学習や問題解決の過程で、脳がどれだけの労力を使っているかを示す概念です。認知的負荷が大きすぎると、効率的な学習や思考が難しくなります。

  1. ポジティブ心理学の視点

ポジティブ心理学では、人々の幸福感や人生の意味を感じることが「付加価値」と捉えられることがあります。幸福感を高める活動や経験が人々に心理的な付加価値をもたらし、日々の生活の質を向上させるとされています。

  1. 社会的支援と承認

他者からの承認や支援も、心理学における「付加価値」の一つです。例えば、他者から認められることや支えられることは、個人の自尊心や心理的健康に対して大きな価値を持つとされます。

このように、心理学では「付加価値」という概念は、経済的な価値だけでなく、個人の心の状態や人間関係における価値、感情的・心理的な側面が強調されることが多いです。

一方、森田療法における「付加価値」を考えてみましょう。

まず次のような観点が考えられます。森田療法の中心的な考え方は、「症状を抑え込むのではなく、受け入れ、生活を続けること」にあります。

  1. 症状の受け入れによる心理的自由の増加

森田療法における大きな特徴は、患者が自分の不安や恐怖を無理に排除しようとするのではなく、それらを受け入れ、生活を進めていくことです。この「症状の受け入れ」のプロセスは、心理的な「付加価値」を生む重要な要素となります。症状を受け入れることで、患者は自分自身を過度に苦しめることなく、日常生活を豊かにする力を得ることができるのです。このように、心理的な「負担」の軽減と「自由度」の向上が、森田療法における付加価値となります。

  1. 自然な生活の実践と自己成長

森田療法では、症状があっても自然な生活を送り続けることが重要視されます。患者は、自分の症状に対して過剰な反応を示すことなく、日常生活を送り続けることによって、次第に自己成長を遂げます。この過程自体が、心理的な「付加価値」を提供します。特に、「あるがままの自分を受け入れる」ことで、個人の自己肯定感や自己受容が高まり、心理的な安定が生まれるのです。

  1. 治療過程での「放任」の価値

森田療法は、「症状を取り除こうとするのではなく、放任すること」が基本方針の一つです。患者が治療において、症状を無理に抑え込んだり、変えようとするのではなく、症状をそのまま放置し、生活に集中することによって、症状に対する過剰な焦りや恐怖心が和らぎ、最終的にはその症状の重さ自体が軽減されていきます。この放任のプロセスが、患者にとっては心理的な「付加価値」となり、感情のバランスや心の余裕を持てるようになるのです。

  1. 自分自身との向き合い方の変化

森田療法の治療を通じて、患者は自分の症状や感情と向き合い、日々の生活の中で自分と調和を取ることを学びます。この自己との向き合い方の変化は、心理的な成長をもたらし、患者にとって大きな付加価値となります。特に、自分を無理に変えようとするのではなく、ありのままの自分を受け入れるというアプローチが、精神的な豊かさや深い安定感を生み出します。

  1. 生活の質の向上

最終的に、森田療法は「症状を改善する」というよりも、「日常生活の質を向上させる」ことを目指します。患者は症状に振り回されることなく、仕事や家庭、社会生活に積極的に関わることができるようになり、これによって「付加価値」が生まれます。精神的に安定し、症状に影響されない生活が実現することは、患者にとって心理的な豊かさや満足感を提供します。

さて、自分の付加価値を見つける方法はあるのでしょうか。

自分の付加価値を見つけるための方法は、自己理解と他者との差別化を意識的に高めることが重要です。以下の方法を試してみると、あなたの付加価値を見つけやすくなるかもしれません。

  1. 自己分析を行う
  • 強みを見つける: 自分の得意なことや他の人が感心するようなスキルを振り返ってみてください。例えば、人とのコミュニケーションが得意、問題解決が得意、クリエイティブな発想ができるなど、日々の生活や仕事でどんな瞬間に特に活躍していると感じるかを意識してみましょう。
  • 価値観を確認する: 自分が大切にしている価値観(例:誠実さ、創造性、チームワークなど)を明確にすることで、どんなシチュエーションで自分が最も活きるのか、または他者とどんな違いを生み出すのかが見えてきます。
  1. フィードバックを求める
  • 自分の周りの人々(上司、同僚、友人など)からフィードバックをもらい、自分がどう見られているのかを知ることが大切です。これにより、自分では気づかなかった強みや改善点を知ることができます。
  1. 他者との差別化ポイントを見つける
  • 市場調査: 自分の業界や仕事の分野でどんなスキルが求められているのか、また自分が持っているスキルがどれほど他者と差別化されるのかを調査することも重要です。
  • ユニークな経験: 他者と違う経験や視点を持っている場合、それがあなたの大きな付加価値になります。例えば、異文化の理解や特定の知識に深みがある場合、それが他者との差別化ポイントになることがあります。
  1. スキルアップと継続的な学び
  • 常に自分をアップデートし続けることで、時代や業界の変化に対応できる能力を身につけることができます。新しい技術や知識を学び続けることで、常に付加価値を高めることができます。
  1. 目的を持って行動する
  • 自分が何を達成したいのか、どんな目標に向かって進んでいるのかを明確にすることが大切です。目的があると、それに必要なスキルや努力が見えてきて、付加価値を高める方向性が定まります。
  1. 柔軟に考え、改善を重ねる
  • 自分の価値が変わることもあります。環境や状況に応じて、柔軟に考え、自分を適応させていくことも重要です。固定概念にとらわれず、成長し続ける姿勢を持ちましょう。

つまるところ自分の付加価値は、自己分析を通じて強みや価値観を知り、他者と差別化できるポイントを見つけ、さらにスキルアップを重ねていくことによって明確になっていきます。自分の強みを認識し、それを活かせる方法を見つけて行動することが重要です。

付加価値をつけるための他者との交流について考えてみます。

付加価値を高めるために他者との交流は非常に重要です。周囲とのつながりを活かすことで、自分の視野が広がり、成長の機会を得ることができます。他者との交流を通じて付加価値を高める方法について、いくつかのポイントを挙げてみます。

  1. 異なるバックグラウンドを持つ人と交流する

他者との交流で重要なのは、自分とは異なる価値観や経験を持つ人々と接することです。異なる視点を持つ人と会話することで、自分の考え方が広がり、新しいアイデアや方法を学べることがあります。

  • 異業種交流会や勉強会に参加する
  • オンラインコミュニティ(業界別や興味別)で他の人と意見交換をする
  • 文化的背景が異なる人と交流し、多様な視点を取り入れる
  1. 積極的にフィードバックを求める

他者との交流を通じて、自分の強みや改善点に気づくことができます。特に、他人からのフィードバックは自分を成長させる貴重な資源です。周囲の人に自分についてどう思うかを尋ね、意見を素直に受け入れ、改善に繋げるようにしましょう。

  • 上司や同僚からフィードバックを受け、どうしたらより良い結果が出せるかを考える
  • メンターを見つけ、定期的にアドバイスをもらう
  1. ネットワーキングを活用する

自分の仕事や目標に関連する人々と積極的にネットワークを築くことは、付加価値を高めるために非常に有効です。人脈を広げることで新しいチャンスや情報にアクセスできる可能性が増え、キャリアアップに繋がります。

  • 業界イベントやセミナー、カンファレンスに参加する
  • SNSなどで、業界の専門家やリーダーと繋がる
  • 定期的にランチやコーヒーを共にして、ビジネス以外の情報交換も行う
  1. 共同プロジェクトやチームワークでの学び

他者との交流を深めることで、チームでの協力や共同作業がスムーズに行えます。異なる専門知識を持った人たちと一緒に仕事をすることで、自分のスキルの幅を広げることができます。

  • チームプロジェクトでリーダーシップを発揮し、組織力を高める
  • 他の人が得意とする分野を学び、スキルの向上を目指す
  • チームメンバーの強みを活かし、協力し合うことで自分の成長にも繋げる
  1. 価値を提供する姿勢を持つ

付加価値を高めるためには、他者に自分の知識や経験を惜しみなく提供する姿勢も大切です。自分の強みや得意分野を他の人とシェアすることで、相手にとって貴重な存在となり、逆に学びや成長の機会が増えることもあります。

  • 自分が得意とする分野でアドバイスを提供したり、手助けをする
  • 何か新しい知識やリソースを共有して、周囲の人に貢献する
  1. 人脈を育てる

一度きりの交流ではなく、長期的な信頼関係を築くことが重要です。定期的に連絡を取り合い、相手の近況や成果に関心を持つことで、良い人脈を育てることができます。

  • 定期的にメッセージやメールを送って、関係を維持する
  • 他の人が困っているときにサポートをすることで、信頼を得る
  1. ポジティブな関係を築く

他者との交流はポジティブで前向きな関係を築くことが大切です。信頼と共感をもとにした関係が、あなたにとって大きな付加価値となり、結果的にそのネットワークが新しいチャンスや学びに繋がります。

  • 相手の意見に耳を傾け、共感を示す
  • 正直でオープンなコミュニケーションを心がける

以上、付加価値を高めるためには、他者との交流を通じて新しい知識や経験を得ることが重要です。積極的に他者と関わり、自分の強みを活かしつつ、相手にも価値を提供することを意識しましょう。そうすることで、自然と自分の付加価値は高まり、周囲との関係も深まります。